十九綴

tsudzu-tsudzuri

劄記140

どうも、十九です。
今日は久しぶりにとっても悔しいです。
リアルの事情をあまり細かく書くのはちょっとアレですが、
ざっくり言うと作品を応募したけど落選しました。
いやぁ本当に悔しいです。けっこう自信あったんですけどね。
私は負けず嫌いというかプライドが高いというか、
あとは人より優れていることを割と好む気質もあって、
久しぶりにその辺が刺激されたって感じです。
最近あまり人と競ったり明確に結果や順位が出ることをしなかったので、
いろいろ心がびっくりしてしまいました。
帰宅したときはもう頭おもおもの体ダルダルの、
心やみやみでもう部屋にキノコ生えそうでした。
ですが色々あって私も性格が変わったというかなんというか、
自分の性格との向き合い方を見直し始めたところがあるので、
その辺の甲斐あって以前よりも落ち込む時間は格段に減りました。
以前の私なら1週間は引きずったかも。いやどうだろ。盛ったかな。
まだもちろん悔しさはありますが、ひどく落ち込んではいません。
疲れはありますが頑張って劄記しちゃうぞ。




紹介数が少ない五十音シリーズです。
順序でいけば「も」なのですが、
もうちょい調査したいので今回は「る」です。
「る」は1熟語しか紹介していなかったので、
最初のときに気になってちょっと調べておいたのです。
それではいってみましょう。



  【屡述】ルジュツ
  しばしば述べること。「すでに―した通り」


  【縷述】ルジュツ
  こまごまと述べること。「―するまでもない」
     ―広辞苑第六版より


まさかのルジュツデュオでのスタート。
屡述の屡は「屡〻しばしば」の「屡」、
縷述の縷は「縷々綿々」の「縷」と言えばイメージつきますね。


余談ですが「屡〻」に付いてる四分休符みたいのは「二の字点」と言い、
漢字は繰り返さないが読みは繰り返すような語に使います。
数〻しばしば」「各〻おのおの」「熟〻つらつら」などがそうです。
漢文などでは「各」とだけ書かれているけど「おのおの」と読むサインってことです。
今は「々」で書くのが主ですがね。辞書とかだと〻もよく見ます。
更にちなみに、「々」は「同の字点」と言い、漢字ではなく記号です。
記号と断言できるかは知りませんが、記号に近いのは確かです。
それとか「金子みすゞ」の「ゞ」みたいな、
日本語を書く時の約物のことを「踊り字」と言います。調べてみてね。


閑話休題、なんかルジュツがふたつあるのが面白いですね。
変換したらどっちも出てきたし、広辞苑にも例文があるし、
それなりにメジャーな語なのでしょうか。使ってみたいですね。
閑話の方が長いじゃん。まあいっか。



  【僂指】ルシ
  指折り数えること。
     ―広辞苑第六版より


またルですね。婁を含むやつら。
字面で言えば「屈指」も同じかと思ったのですが、
屈指にはあまり「指を折る」って意味は含まれないですね。
指を折って数える内に入るくらい優れているってこと。
それに対して僂指は単に指折りしたい時に使えますね。
ちなみに「僂」の字は、「背骨がかがまる病気。また、その人。」
「かがめる。背をまげる。」「背をかがめてつつしむさま。」の意だそうで。
もともとは背中が曲がる病気なのか…
そこから背中を曲げる意味になり、指を曲げる意としてここでは登場すると。
なんかちょっと嫌な転じ方ですね。下手すると言葉狩りに遭いそう。



  【瑠璃も玻璃も照らせば光る】ルリもハリもてらせばひかる
  つまらないものの中に混じっていても、
  素質のすぐれたものは光を当てれば輝いてすぐに分かる。
     ―広辞苑第六版より


劄記137で紹介した「囊中之錐」とほぼ同じですね。
強いて違いを見つけるとすれば、
囊中之錐は秀でた者はおのずとその才を現すのに対し、
瑠璃(以下略)はスポットを当てればすぐ分かるって感じでしょうか。
ちなみに玻璃というのはガラスの意味もありますが、
多分ここでは水晶のことじゃないかと思います。
七宝焼とかありますよね。その七宝は仏教用語で、
金・銀・瑠璃・玻璃・硨磲シャコ(シャコガイ)・珊瑚・瑪瑙 のことを指すそうです。
出典によっては玻璃が含まれなかったりするようですが、
こういう錚々たるメンバーに並ぶならガラスより水晶でしょう。
いやでも昔はガラスも貴重だったのだろうか。
というかガラスらしいガラスが使われるようになったのっていつだろ。
本題とは違う謎が深まってきた。この辺でよそう。



  【累坐】ルイザ
  他人の罪に関連して、自分も罰せられること。まきぞえ。連座
     ―新漢語林より


とばっちりってことですかね。やや違うか。
でもだいたいそういう意味で合ってそうですね。
累坐まきぞえ」とか「累坐とばっちり」などとルビを振っても問題なさそう。
ちなみに「とばっちり」は「迸り」と書きます。
これだと「ほとばしり」とも読めますね。文脈で分かりそうですが。
累はまぁ繋がるとかそういう系の意味がある気がするのでいいとして、
なぜ坐が付くんでしょうかね。座との違いはともかく。
罪で座るといえばアレですよね。トゲ?の上に座らせておもりを追加してくやつ。
名前を忘れたので調べたら「石抱いしだき」と言うそうです。
この刑っていつどこから発生したのかな。
江戸くらいのイメージですがどうなんだろ。
たぶん累坐の坐はこれじゃない気がするわ。
「座(坐)する」で調べたら「まきぞえになる」の意味がありました。
即解決した。なんだよ。



  【鏤氷】ルヒョウ・ロウヒョウ
  氷にきざみつけること。無益な労力を費やすことをいう。
  「画脂鏤氷(あぶらにえがきこおりにきざむ)」
     ―新漢語林より


「鏤める」で「ちりばめる」と読むのはもう割と有名でしょうか。
そういうことで「鏤」は「彫刻する」みたいな意味があります。
氷に彫刻すれば普通いつか溶けちゃうので意味は薄いですよね。
でも最近は機械やらいろいろが進化して整っているので、
普通に氷の彫刻やらは芸術として成立していますね。
さっぽろ雪まつりでもそういうのありましたっけ。
私の地元は雪国ではないですが、なんかのイベントで氷の彫刻を見たことあります。
でもやはり普通にやれば氷の彫刻はけっこう徒労ですよね。
あまりそういう余分な苦労とかを回避して生きたいところです。
ちなみに「画脂鏤氷ガシロウヒョウ」という見出し語でも新漢語林に載ってたりします。
ここだと「ロウヒョウ」なんですね。私もロウヒョウの方に馴染みがあります。






疲れてる割にけっこう書きました。すごい。
しかも5熟語紹介するような形式でちゃっかり6熟語紹介してます。
やったね。1熟語しかない「る」にたくさん仲間ができました。
その仲間の大半に「婁」が含まれるので同族ですがね。
でもやはりそれくらいに「る」系は少なかったです。
なんか疲れて後書き考える気力も薄いのでこの辺で切り上げましょう。
ではまた次回。