十九綴

tsudzu-tsudzuri

劄記237

どうも、十九です。
実に1ヶ月ぶりの更新となってしまいました。
今までは雑記だろうと毎日更新しようとしてたのに、
どうしてこうも更新が減ってしまったんでしょうね。
生活様式が変わったことにかかわらず何か原因がありそうです。
私生活はそれなりに忙しいというかやることありますが、
以前と大きく変わったという訳でもない気がします。
強いて言うならリングフィットアドベンチャーが生活習慣に組み込まれました。
基本的に週3でやってます。おかげさまで健康まっしぐらです。
ひとまず以前のようにほぼ毎日更新するとまではいかずとも、
ひと記事内で紹介する言葉を増やせたらいいなと思っています。
少なくとも5つ、多くて7つ8つとかでしょうか。
ネタのストックとか文章を練る力とかが残ってるといいですが。
ひとまず久しぶりにやっていきましょう。




  【紆軫】ウシン
  ①心がむすぼれ痛む。軫は、いたむ。
  ②地形のまがりくねっているさま。
     ―新漢語林より


紆って「紆余曲折」の中でしかまず見ることがないですよね。
主な意味は「まがる」「めぐる」といった感じ。
その変の絡みで「心がむすぼれる」みたいな意味もあるようです。
軫の方は車が付いてる割になんでいたむ意があるのかよく分かりませんが。
こちらも「めぐる」意を持っているらしく、
①は動詞だけど②は形容詞的というなんか面白い語になってます。
悲しいとか憂鬱だとかじゃなくて、
心が痛むという意味を持つ言葉って意外とレアでしょうか。
そういうことをこのブログで何度か書いているような……
心がズキズキとするようなことって意外とある気がします。
紆軫、使っていきましょう。




  【奢僭】シャセン
  身分不相応にぜいたくをする。
  僭は、分に過ぎておごること。
     ―新漢語林より


奢も「華奢」くらいでしか見ませんね。
「おごる」を「奢る」と書くこともたまにあるでしょうか。
あと漢検の勉強とかしてたら「奢侈シャシ」とかも見たことあるでしょう。
僭の方も僭越くらいでしか見ませんね。夢のマッチング。
劄記14で「ひところふ」という言葉を紹介しています。
こちらは「分限を超えて上の人のことをまねる」という意味ですが、
いずれにせを分不相応な感じのニュアンスを持つ字のようです。
贅沢をするなという訳ではないですが、
やはり度とか分際を超えた贅沢はよろしくないものだと思います。
どうして、というと難しいですけど。
それを手にするに相応しいような財や精神や余裕がないと、
手に入れたものの利益を十分に享受や保持できないと感じます。
なんかふんわりした物言いですね。
掘り下げようと思ったけどそうやってると他の言葉が疎かになりそうなのでやめます。




  【瞥然】ベツゼン
  ちらりとひらめくさま。ちらりと心にうかぶさま。
     ―新漢語林より


こちらも「一瞥」でしかまず見ることはないでしょう。
この言葉、『メタリカメタルカ』という漫画で初めて見て覚えた記憶があります。
「(なんか強いモンスター)を一瞥で……!」みたいな強キャラ感を出すセリフだったと思います。
割と好きだったのですが早い内に打ち切りを食らってしまった漫画です。
そういった記憶が瞥然としていますが、面白いですねこの言葉。気に入りました。
別にこれは心の中に限った形容ではないような気がしますが、
なんだか心にちらつく感じの方がしっくりくる感じがあります。
イデアがちらっと出てきたり、思い出せないことがちらっと浮かんだり、
気になる人のことがちらちらと心に出てきたり、いろいろ使える場面がありそうです。
「一瞥」もそれなりに難しい方の語彙ではありますが知名度は低くなさそうだし、
それを知っていればなんとなく類推もできそうでよさそうです。
そんなこと言って自分で使ったことある言葉はぜんぜんないんですけどね。ははは。




  【奨揚】ショウヨウ
  続ける気を持たすべくほめること。
     ―広辞苑第六版より


これまた意味が面白い感じですね。なかなか見ないタイプです。
例によって「奨」も「推奨」「奨学金」くらいでしか見ません。
「推奨」に使われるように、奨は「すすめる」の意です。
揚は何なんでしょう。気分を揚げてヨイショする感じでしょうか。
こういう言葉があるもんなんですね。なんか親近感あります。
リングフィットアドベンチャーをやってると相棒のキャラがすごく褒めてくれるんです。
しっかりとプレイヤーのその時のやる気や今後のやる気を損なわないように。
奨揚するシステムが非常によくできてるんですよね。
私は運動する楽しさ、体がしっかりしていく喜びに気づいて積極的にやってますが、
習慣化が苦手な人でも取っかかりやすいと思います。是非やりましょう。




  【幾諫】キカン
   [論語(里仁)「父母につかうるにはいくばくいさむ」]
  相手の怒りに触れないようにそれとなく遠回しにいさめること。
     ―広辞苑第六版より


「幾」を音読みする機会はマジで「幾何学」しかないと思います。
それはそうと幾諫する能力、たぶん社会に出るとけっこう必要になってくると思います。
以前こういう言葉を紹介しなかったっけ?と思ったけど思ってたやつはヒットしませんでした。
諷諫フウカン」という言葉があり、「遠回しにいさめること」の意です。
一応「相手の怒りに触れないように」の記述の有無という差はあります。
まぁ多分どっちも同じ意味として扱って問題はなさそうでしょう。
幾諫の方は論語に出てきたものが由来になっていて、
その文脈だと父母にいい感じに諫める必要がありそうです。
そうなるとこちらは怒りに触れないよう、の意味は重要そうです。
諷諫の方は怒りに触れないようにも使えるし、
皮肉めいて遠回しに諫めるような具合にも使えるような印象があります。
「風刺」と言いますが、あれは「諷刺」の書き換えです。
風刺のイメージで言えば皮肉っぽい感じがありますね。
幾諫と諷諫、使い分けてみましょう。




  【久闊を叙する】キュウカツをジョする
  久しぶりに会って話をする。
     ―広辞苑第六版より


こいつも「闊達」「闊歩」くらいでしか見ません。
意味としては「とおる」「ひろい」「うとい」などのようです。
闊達や闊歩は「ひろい」、久闊は「うとい」になりそうです。
久闊というのは単に「久しぶり」であるとか、
あるいは「久しく便りをしないこと」の意であるそうです。
「叙する」はまぁ「述べる」と同じようなもんです。
つまりこれは「久しぶりと言う」をかっこよく言った感じでもあります。
こんないい具合の言い回しがあるんですね。いつか使ってみたい。
盆と正月とかに地元の友人と食事やカラオケに言ったりしますが、
それが久闊を叙する場になっているんですね。なるほど。
あいつら何してるかな。元気だといいな。





ということで6単語ほど紹介してみました。
各単語の紹介はやや控えめにしてみましたが、
それなりのボリュームにはなったんじゃないでしょうか。
このごろ急に寒くなり出しましたね。
やっとまともな三寒四温みたいな気候変動をしたと思えば、
なんだか落ち着かないところです。
いくら体がちょっと鍛えられてきたからといって、
気圧や気候がコロコロ変わるとやっぱり参ってしまいます。
無理のないようにゆったり過ごしたいところです。また次回。