十九綴

tsudzu-tsudzuri

劄記141

どうも、十九です。
今日はまともに朝起きられました。
天気のせいも否めませんが、
主にそれ以外の心因で調子を崩しているかと思います。
なかなか調子が安定しないので辛いです。
でもまぁ少しずついい方に向けていきましょう。
そういうことなのでちゃっちゃと劄記しますか。




  【毛挙】モウキョ
  些細な事まで数えあげること。
  平家物語(3)「勧賞ども―にいとまあらず」
     ―広辞苑第六版より


  【毛挙】モウキョ
  ①細かい事まで数えあげること。
   毛の先ほどわずかな罪まで数えあげること。
  ②細かいことまで筆で書きつくすこと。
  ③重いものを軽く取り扱うこと。
     ―新漢語林より


面白い語です。2つの辞書から引っ張ってみました。
字面とか音とか意味とか、枚挙っぽいですよね。
実際例文には「毛挙にいとまあらず」ってあるし。まんまじゃん。
しかし枚挙は「一つ一つ数え上げること。」らしいので、
若干意味合いは違いますね。毛挙の方がより細かい。
そして漢語林の方も面白いですね。
①に特に罪について書いてあるのはスルーするとして、
②も③もなんだか面白くて使えそうです。
細かいことまで書きまくること、あるあるです。
そんで全体を見失ってバランス悪くなるまでテンプレ。
③もけっこう重要ですね。たまにやっちゃいがち。
「こんくらいいいだろ」って感じでやっちゃうやつ。
そういう意味じゃないかもね。
単に力持ちな人が軽々と重いものを持ち上げる感じかも。
いずれにせよ面白いです。使いましょう。



  【盲射】モウシャ
  目当もつけず、やたらに射撃すること。
     ―広辞苑第六版より


これもやりがち。気をつけましょう。
乱射みたいなもんですね。ほぼ同じか。
しかし字面から受ける印象は違う気がします。
乱射は読んで字のごとく乱れ撃ち、
混乱してたり、あえて、あるいは狙って弾幕を張ったりする感じ。
盲射はなんというか見えてるけど見えてない。
「盲目的」って感じでしょうか。
ヤケになって女という女にアタックしまくる男みたいな。
……いずれにせよ気をつけましょう。



  【諸羂】もろわな
  蝶結びのこと。
     ―広辞苑第六版より


なんだそりゃ。もろわな。魚みたいだな。
諸はともかく、羂は本当に罠の意味です。トラップ。
諸々の罠…?なぜ蝶結びになるのか。
気になってグーグル先生にお聞きしてみたところ、
ご祝儀袋とか着物の帯とかで「もろわな結び」と呼ぶ習慣があるようです。
どっちも伝統って感じの文化ですね。なるほど?
諸羂の語源とかも調べようとしたのですが、
あまり信頼できそうな情報が得られませんでした。
でもなんだか面白い言葉に出会えたので嬉しいです。
そう、こういう喜びを誰かと共有したくてブログ始めたのもあります。



  【毛毳】モウゼイ
  鳥獣の細くやわらかい毛。にこげ。
     ―新漢語林より


コイツやったらけばけばしてるな。
ちなみに「けばけば」は「毳毳」と書きます。
もっとけばけばしてるな。やばそう。
にこげ、漢検とか難読語の界隈でけっこう聞き覚えがあるのですが、
それなりに一般認知されている語なのでしょうか。
謎です。難読漢字に手を出すと謎の語彙が増えます。
そういえば中国の国歌は『義勇軍進行曲』というのですが、
その作曲者は「聶耳ジョウジ」という方です。耳ばっか。
Wikipediaには、

1954年(昭和29年)11月1日に、
藤沢市民有志により山口文象デザインの耳の字をかたどった記念碑と秋田雨雀撰、
豐道春海筆の碑文が建てられ、李徳全(中国紅十字会代表)による除幕式が行われた。

とあるのですが、どれのことかよく分かりませんでした。
お分かりかと思いますが、ただ聶耳の話をしたかっただけです。



  【罔象】モウショウ
  ①ただよう。
  ②なにもないこと。虚無。象罔。
  ③水中の妖怪。一説に、水神の名。
     ―新漢語林より


②と③が気になりますわね。
虚無。なんてこった。虚無だ。
「罔」は「無」とか「亡」みたいな意味があるそうな。
象は…よくわからない。でも「ショウ」と読むし、
お鼻が長い動物じゃなくて「すがた」とかそういう意味なのかな。
虚無じゃなくて罔象と言ってみると格好よくなると思います。
③なのですが、これ「罔象みずは」という言葉があって、
水をつかさどる神のことを言うらしいんですよね。
現代仮名遣いだと「みずは」ですが、
Wikipediaの項目だと「ミヅハ」になってます。ミヅハノメとも言うそうな。
モンハンをやったことある人ならもしかして聞いたことあるかも。
オオナズチの防具の名前、ミヅハシリーズですね。
こんなところから来ていたとは。日本神話由来ですね。
古事記だと「弥都波能売神みづはのめのかみ」、日本書紀だと「罔象女神みつはのめのかみ」と言うそうな。
たぶん日本が「罔象」の表記に「みづは」の音を当てたんでしょうね。
こういうの好きです。他にこういうやつ知らないけど。




今回は「も」でございました。
意外と言葉は多いのですが、なんか琴線に触れるのが少なかったです。
でも思ったよりかは面白い記事になったかな。
やや投げやりな感じもするけど。まあいっか。
ちょっと後書きもうまいこと思いつかないので、
今日はこのくらいにしておきましょう。
それではまた次回。