十九綴

tsudzu-tsudzuri

劄記145

どうも、十九です。
久しぶりの劄記です。7日くらいぶりです。
絶賛やることに追われているのですが、
歯医者に行ってきて麻酔が効いてるので、
夕飯を食べるまでに劄記しちゃおうという魂胆です。
そこそこ大がかりっぽい施術をしてきた後なので、
やることするにはテンション低めなんです。
じゃあ劄記しちゃえって感じ。さっそくいきます。




  【機巧る・誘る】わかつ・る
  《他四》
  ①はたをあやつる。〈類聚名義抄〉
  ②だまし誘う。誘惑する。欺く。おこつる。


  【機巧・機】わかつり
  物をあやつり動かすしかけ。からくり。
     ―広辞苑第六版より


きました。漢語にめっちゃ和語っぽい読みが与えられてるやつ。
「機関」と書けば「からくり」と読みますが、
こちらの場合は「機巧」ですね。似てる。
いちおう意味を参照しておきましょうか。


  【機巧】キコウ
  ①精巧にできた装置。細工。からくり。工夫。
  ②いろいろに才知をめぐらすこと。「―を弄す」
     ―広辞苑第六版より


しかし、「わかつる」が特に機織りに限定されてるっぽいですね。
そこから転じて騙す意味になったりだとか、
精巧な機械そのものやそのしかけの意味になっちゃうんですね。
どこかで使いたいな、これ。使う機会を作るか…?



  【私儀】わたくしギ
  (主に改まった文章中で)私のことについて言えば。
  「―、一身上の都合により、退職いたしたく」
     ―広辞苑第六版より


「個人的には」「私的には」みたいのの丁寧語でしょうか。
変換したら出てきたのでそれなりに一般的なのかな。
なんか【儀】の③を参照しろとのマークがあったので参照すると、

  ③(主に文章語として)人を示す体言に添えて、
   それについて言えば、の意を示す。「私―」「その方―」

という風に書いてあります。そういう意味あるんだね。
覚えておけばどこかで使う機会があるかもしれませんね。
でもいくら丁寧な言葉だからといって伝わらないとやはり意味は薄いでしょう。
形式上の礼儀も必要ではありますが、やはり心持ちを伝える手段に留めましょう。



  【若布・和布・稚海藻・裙蔕菜】わかめ
  褐藻コンブ目チガイソ科の海藻。一年生。繊維状の根、
  扁平な茎、羽状の切れ込みと中肋をもつ葉からなる。
  冬から夏にかけて低潮線より深い岩の上に生育し、
  長さ30センチメートル~1メートル、ときに2メートルに達する。
  春先になると茎にめかぶと呼ばれるひだ状の胞子葉をつける。
  ナルトワカメ・ナンブワカメは品種。
  北海道東部と南西諸島を除く日本各地・朝鮮半島・中国に分布し、
  豪州・ニュー-ジーランド・欧州・米国などには人為的な移入がみられる。
  食用。養殖がさかん。にきめ。めのは。〈季語:春〉。
     ―広辞苑第六版より


長々と説明を書きましたが、稚海藻と裙蔕菜が気になっただけです。
ゴッツい字の割に指すのはわかめです。ギャップがいい。
古語において「海布」というのは食用の海藻の総称だとか。
「海布」と書いたり、あるいは「布」だけで「め」と読ませたりします。
ってことはその め の中で若いやつがわかめなんでしょうか。
稚海藻も一見よく分かりませんが、そう考えるとわかめですね。
稚は「幼稚」に使うように「わかい・いとけない」の意味がありますし。
でも裙蔕菜に至ってはなんだお前。わかめ感ゼロだろ。
「裙」はいろいろ意味があるらしいのですが、
大体指すところはスカートであるとか裳(の裾)であるとか、
ヒラヒラした系の服(ボトムス)だと思って差し支えないでしょう。
「蔕」はほとんど「へた」を指します。植物のへたです。
もともと萼だった部分ですね。トマトのへたとかそういうやつ。
ヒラヒラしてるので裙は非常によく分かるのですが、
蔕はなんなんでしょうね。一応「根」の意味もあるっぽいですが。
ただ字がゴツいと言いたかっただけなんですが意外と文章が多くなった。



  【猥瑣】ワイサ
  みだりでこざかしいこと。
     ―新漢語林より


なかなか強烈な言葉がきました。こういう人いますよね。
「猥」はもう「猥褻」の猥でお馴染みでしょう。
「瑣」は「瑣末サマツ(些末)」や「瑣事サジ(些事)」、などに使われますね。
「些」の書き換えに使うあたり、「こまかい」とかそういう意味です。
その辺がどうにかなって「こざかしい」の意味になったんでしょうね。
これはなんか言い方が面白かっただけなのであまりコメントすることないです。



  【話柄】ワヘイ
  はなしのたね。談柄。話欛
     ―新漢語林より


話のたねの漢語があったのもちょっと驚きです。
それもそれでいいんですが。話欛の存在感です。ワハ。
ワハってなんか音が面白いし、字も妙にゴツい。
一応拡大しておきますか。です。
何てことはない、木偏に覇をつけただけです。
と言いたいんですが、覇の冠が覀ではなく雨になってますね。
異体字ってやつですね。そういうこともある。
これは以前から知っていたんですが、「欛」は「つか」と読みます。
柄と同じで、刀とかの握る部分です。それを覚えていて、
「つか」で変換できるかなーと思って試したら変換できたんです。
思わず おおっ! と声を上げてしまいました。なんか嬉しい。
ちなみに「欛柄ハヘイ」という熟語もあり、
刀のつかはもちろん、話のたねの意味もあるそうな。はへー。





久しぶりの割には意外と量が書けたし、
しかもそれなりにまともな内容に仕上がったんじゃないでしょうか。
そして目録をまとめて以来、紹介数に偏りのある五十音を重点に紹介しましたが、
とりわけ少なかったものは紹介し切りました。やったね。
この後も偏りはあることにはあると思うので、
気づき次第適当に埋めていこうかなと思います。
今後はそれを気に掛けつついつも通りの感じに戻します。
なかなか充実したブログと目録になりましたね。満足。
150回ももうすぐですね。はやいもんですね。
今回はこんな感じでいいかな。また次回。