十九綴

tsudzu-tsudzuri

箚記220

どうも、十九です。
今日はエイプリルフールですね。
でも私は正直で嘘つくのクッソ下手なので、
そういう日でも嘘もジョークもあまり言いません。
でもTwitterのアカウントを変なことにするのを恒例にしてます。
今年はオンド・マルトノにしました。それが何かは調べてね。
そういうことなので今回は嘘とかは特にナシでいきます。
さっそくやっていきましょう。





  【街談巷語】ガイダンコウゴ
   [漢書(芸文志)「小説家者流は、けだし稗官より出づ。
   街談巷語は、道聴塗説の者の造るところなり」]
  世間にあふれているつまらない評判やうわさ。
     ―広辞苑第六版より


こんな世の中ですし、ましてやジセイ(時勢/時世)もありますよね。
つまらない噂とか言論がやたらめったら飛び交っている印象です。
といっても私はそれをだいたいTwitterで観測してるだけですけどね。
そもそもTwitterってそういうところです。流言蜚語とか狂言綺語が常に飛び交う場です。
だとしても、不毛な言論に常に聞いたり首を突っ込んだりするのは疲れます。
疲れるというか普通に相手にしたくないです。やだよ。
私もこうやってある程度の品格とか教養があるふりをしていますが、
それでもまだ十分につまらない人間の部類かもしれません。多分そう。
いやでもそうやって自分わかってますよ感を出していくのもよくないですね。
自分のミスとか未熟さはしっかりと認めてアップデートしていきたいものです。
いらいろ窮屈な世の中をゆったり生きられる人間になりたいです。




  【道聴塗説】ドウチョウトセツ
   [論語(陽貨)「道に聴きて塗(=道)に説くは、徳をこれ棄つる也」]
   (道上で聴いたことを直ちに途上で話す意)
  善言を聞いてもそれを心にとどめて自分のものにしないこと。
  また、他人の言説をすぐ受売りすること。
  転じて、いい加減な世間の受売り話の意にも用いる。
     ―広辞苑第六版より


さっきのやつの説明文に出てきたしついでに紹介しておきます。
漢検の勉強をしていて見た記憶はあるのですが、すっかり記憶から消えていました。
なかなか思うところがある言葉なのでこれを機に再び覚えたいところ。
「塗」とありますが別に塗ることは関係なくて、
「途(道)」と発音が同じとか似てるからとかでその意味を借りてるってやつです。
善言を聞いても〜 というよりそれ以降の意味の方がしっくりきます。
字面からしてもそんな感じですよね。道で聴いたのを途で説くって。
今は情報がかなーーり発達して、送受信が誰でも簡単に行えるようになりました。
昔は本を読んだり勉強したりしないと得られなかった良質な情報が、
今は子供だってインターネットを使って簡単に得られてしまいます。
ですが、質の悪い情報も同時に氾濫していて、それを選ぶ能力も必要です。
或いは、それでもだいたい良質な情報が手元に来ることが多いので、
しっかり確認せずに又聞きや受け売りをしてしまいがちです。
これはふとした瞬間にやりがちなのを自覚しています。
ちゃんと確認を取れる人になろう。




  【一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う】イッケンキョにほゆればバンケンジツをつたう
  一人が虚言を言うと、多くの人々がそれを真実として伝えるものだというたとえ。
  「一犬形(影)に吠ゆれば百犬声に吠ゆ」
  「一人虚を伝うれば万人実を伝う」も同じ。
     —広辞苑第六版より


これまた気をつけたいところ。本日は戒めのコーナーです。
こういう系の言葉は思ったよりありますよね。以前も紹介した気がする。
だいたいは「嘘がやがて本当になる」みたいな意味合いですが、
これはやや別にならないこともないようです。
新漢語林では「一犬形に吠ゆれば百犬声に吠ゆ」という形で掲載されていて、
「一人がそれらしいことをいうと、多くの人がこれを真実としてうわさしあうたとえ。」
という風に説明しているんですね。ちょこっと違う。
嘘ではなく、それらしいことが本当かのようになる感じらしい。
「虚に吠ゆれば」はさすがに虚言とか嘘を言う場合だと思いますが、
「形に吠ゆれば」の場合は全くの去年とも限らないニュアンスが出そうです。
割とちゃんと調査せずにそれらしいことを自分が言ったり、
あるいは他人のそれに気づかずに道聴塗説しがちだったりすると思います。
情報を送る側としても受ける側としても十分に注意したいです。






真面目にいろいろ考えたら疲れました。今日はクソ低気圧です。
そんな中これは割と頑張った方じゃないでしょうか。
これを書いているのは4月2日の0時過ぎなのですが、
いちおう久しぶりに2日連続で箚記もできています。えらい。
私も自粛ムードにやられすぎないようにしつつ、
ちゃんと感染症対策としてできることもやっていきたいです。
ひとまずよく休みましょう。また次回。