十九綴

tsudzu-tsudzuri

『踊り場』

どうも、十九です。
風邪引きました。これもう風邪です。
こないだからくしゃみがかなり出ていたのですが、
あれが最初から風邪だったのか、いつものアレルギーだったのか、
今となってはよく分かりませんがとにかく風邪引きました。
たぶんだけど最初はアレルギーで沢山くしゃみが出て、
それがどうにか悪化して風邪に発展しちゃったのかな。
くしゃみのしすぎで咽頭を痛めたのかと思いましたが、
もしかするとその頃から風邪も併発してたのかもね。
今日は用事があったのでそれだけ頑張りました。
明日も昼に内科じゃないけど病院を予約してあるのでそれに行き、
あとはもう安静にしまくる予定です。
29日には一日中大きな用事があるのでそれまでに治さねば。
でもブログ書く余裕はあるので無理ない程度に書きます。
摘記が思ったよりなんか楽しかったし、
劄記とはまた別のエネルギーを使うというか、割と楽なんです。
何がどう楽かとは言いづらいところですが、とにかく摘記します。




今日は『踊り場』です。階段のアレですね。
これはけっこう前から疑問に思ってて、
調べたんだっけな。それとも忘れたんだっけな。
確か調べようと思って調べてないような気がします。
案外すぐ語源が見つかったりして早々に終わるのでしょうか。
前回は明確な語源が分からずいい感じの長さまで引き延ばされましたが、
早々に終わったらどうするかも考慮しないとですね。
とりあえず適当な考察をしてみましょうか。



踊り場と言えば階段を折り返すためのあのスペースですよね。
これがちゃんとした定義なのか、他も踊り場というのか知らないけど。
それで、『踊り場』って名前なんですから、
きっと何かが踊るためのものなんでしょう。
あるいは何かが踊っていた名残であるとか、
何かが踊っているような感じだったからその名があるのでしょう。
踊り場で踊ってる人は見たことがないです。フラッシュモブでも知らない。
踊り場で本当に踊るとして、踊り場も大小さまざまですしね。
けっこう広いのもあれば狭いのもある。尚更謎だ。


それでもまぁ考察っていうか予想みたいなものを立ててみます。
なんかニュアンスが近そうな言葉に「遊び」ってあると思います。
車とかのブレーキありますよね。自転車もそうですが。
あのブレーキのペダルやレバーを動かしてみて、
動きはするけどブレーキはかからない範囲ってありますよね。
そういう余裕を持たせる構造を「遊び」って言うと思います。
「遊び」の語源(みたいなもの)も気になるところではありますが、
『踊り場』の「踊り」ももしかするとそういう意味合いなのではないでしょうか。
踊れるくらい余裕あるスペース、みたいな感じ。


あともう一つこじつけっぽい説が思いつきました。
踊り場って何のためにあるかと言えば階段を折り返すためですよね。
物によるとおもいますが、大体の踊り場は180°ひねるはずです。
90°のやつもあるかな。歩道橋とか物によってはそうだっけ。
で、そのひねっている様を踊りにたとえたとか。苦しいな。
もしくは、そのひねった部分を人が歩くと人もターンするので、
そのターンする様子を踊りに見立てたとかそんな感じ。



さて、苦しい予想を立てたところで答え合わせしてみましょう。
今回はハッキリした語源があると嬉しいです。
例によってまず広辞苑を参照することにします。


  【踊り場】おどり-ば
  ①おどる場所。
  ②階段の中途を広くして、足休めとした所。
  ③比喩的に、物事の上昇が一時停滞すること。


なるほど。階段の踊り場は後からできた意味なんですね。
あくまで階段の広くなった場所であって、折り返しでもないんですね。
そういえばそうだわ。必ずしも折り返さないですね。
まさにさっき言った歩道橋なんかそうですね。
途中で広くなってる段とか割と多いですね。何のためなんだろ。
それも後でチェックできたらしてみましょう。


そして案の定語源由来辞典がヒットしました。
詳しいことは知らないですが、このサイトの信憑性は低い印象です。
そういう評判をよく耳にします。どっちも鵜呑みはよくないけどね。
あまり評判が芳しくないというのを踏まえて引用します。

以下の二説が有力とされるが未詳。
踊り場月の階段は、明治時代に西洋建築の伝来と共に採用されたもので、
それ以前の階段は梯子のように一直線に伸びたものしかなかった。
西洋建築は社交場など貴人・麗人が集まる場所で採用され、
ドレスで着飾った女性がこの部分を歩くと踊っているように見えたことからとする説。
もう一説は、階段の先にある板の間で実際に踊っていたものが、
現在の「踊り場」に通ずるとする説で、
京都の芸子が踊っていたという踊り場も存在する。
その他、階段の「段差」と「ダンサー」をかけた説もあるが、ただの洒落である。


改めて思うのですが、情報の出典がないんですよね。
「明治時代に西洋建築の伝来と共に採用された」とか、
「それ以前の階段は梯子のように一直線に伸びたものしかなかった。」とか、
割と断言するような情報でありながら明確な出典がないのです。
まぁこういうちょっとしたウェブサイトであるとか、
そうでなくても辞書に掲載する情報って出典を省くこともありますが。
もとから懐疑心を持ちつつこのサイトを閲覧しているので尚更です。


仮にこの二説が由来だったとすると、私の予想もおおかた当たっているようですね。
それでまた適当に調べたら、更に説が見つかりました。こちらです。

この他にも、踊り場という言葉の由来といわれる説はいくつかあります。
例えば、階段を急に上がると心臓の鼓動が早くなったりします。
そのため、途中で休むスペースが必要な場合も有ることでしょう。

実は心臓の鼓動を「踊り」と呼んだりします。
そこから鼓動を落ち着かせる場所という意味合いをもたせ、
途中で休むスペースを踊り場と言うようになった。


確かに広辞苑を引いてみると、
「④動悸のすること。」との記述があります。
あながち嘘でもないらしいですね。鼓動と動悸ってけっこう違う気がするけど。



その後かるく適当に語源を調べていたのですが、
やはり「人が歩くと踊っているように見える」説が多いです。
それでどのサイトでも大体同じように、
「明治以前の階段は梯子のように一直線に伸びたものしかなかった」みたいな、
「江戸時代/明治以前」「梯子のよう」「一直線」みたいな言葉を使ってます。
まぁ確かにそれくらいしか表現のしようもない気もしますが、
どれか一つの情報源から発生しているような予感もします。


あと念のため明治の洋風建築も調べようとしました。
明治のそういう建物といえば鹿鳴館だろ!と安易に思い立ったので、
鹿鳴館 階段」と安易に検索した結果これが出ました。
なかなか見づらいアングルではありますが、3回ほど曲がっているかと思います。
とりあえず鹿鳴館に踊り場があったことは分かりました。
そこから時代を遡っていくほどの知識や調査力は持ち合わせていないので、
今回はこれくらいで勘弁してください。



あと踊り場を設ける理由ですが、階段の向きを変える他に、
危険防止の役割も持っているようですね。
「まるわかり注文住宅」っていうどう見ても住宅系のサイトから引用するに、

階段の途中に設けられた踏面を広くした部分。
住宅などでは、高さ4メートル以上の階段は、
4メートル以内ごとに「踊り場」が必要。
踊り場を設けることで、階段から落ちた場合に途中で転落を止める危険防止の効果がある。


とのこと。確かに人とか物が転がったときに危ないよね。
階段が長ければ長いほどそういう危険性も高まるし、
やっぱり踊り場ってけっこう大事な役割があるんですね。
お堅い文章なので詳しいことはよくわからないのですが、
道路構造令 第十二条(建築限界)の辺で歩道橋の高さが定められてるとか。
歩道橋の高さというか、道路上空にものをつくる場合の規定ですね。
で、細かい条件とかはよく分からないけど、
路面だか車高から4.5m以上の余裕を作る必要があるらしいです。
そうすると歩道橋の高さは4mを超えるので、踊り場も必要になるんですね。
こういう法令で定められてる系のやつはハッキリ答えが出て嬉しいですね。



さて、今回もハッキリした結論は出せませんでした。
前回よりはちょこっと正確な調査ができた気がします。
法令とかそういうの調べたし。ちょっとだけど。
語源ってハッキリしてる方が割と珍しいのでしょうか。
最近出来た言葉、といってもどこまでが最近かは分かりませんが、
少なくとも昭和あたりから生まれた言葉は語源が辿れそう……かな?
意外と明治とか大正生まれの言葉でも語源がハッキリしないんですね。
今後もそういう情報を扱うことになりそうですね。
そんな感じでそろそろ風邪がだるくなってきました。
さっとシャワーを浴びて安静にして寝ようかな。
それでは今回はこれまで。また次回。