十九綴

tsudzu-tsudzuri

劄記68

どうも、十九です。
第二外国語でイタリア語をやっておりますが、
なんか難しそうなところに突入してきました。
難しいというか、英語はともかく少なくとも日本語にはない概念が出てきたので。
再帰動詞とか再帰代名詞とか、直接目的語の代名詞とかなんとか。
なんとな~~~くわかりました。連休で緩みきった頭にはやや辛かった。
でもやっぱり知らないことを学ぶのは楽しいですね。活き活きする。
たとえそれが役に立とうと立つまいと、知っているそのことがいいんです。
それか、そういう知識はすぐに、直接的には役に立たないことが多いです。
いつか忘れた頃、いろんな知識を経由してそこに繋がるもんです。
あとはコレクター的精神です。なんか持っているだけで豊かに感じる。
ここでこうして言葉を蒐集しているのもそういうようなものです。
言葉をコレクションするだけじゃなんか勿体ないなと思ったので、
誰かにこの言葉を使用する所を見られるようにブログとして公開すると。
そういう訳なので劄記します。



  【鉛刀一割】エントウイッカツ
  ①鉛刀でも物がたちきれる意から、自分の微力を謙遜していう語。
  ②二度と役に立たないたとえ。
  ③けがの功名。
     ―新漢語林より


面白い表現ですね。割と気に入ったかも。
しかも①~③の全部がそれなりに意味が違い、
かつ使い道がありそうで使いやすそうです。素晴らしい。
鉛刀一割ですがご助力します、みたいに使えばいいんでしょうか。
こんなもん鉛刀一割だ!とか言えば②でしょうか。よくわからない。



  【騏驥一躍不能十歩】キキもイチヤクしてジッポするあたわず
   騏驥も一躍して十歩する能わず
  すぐれた馬もひと飛びで十歩を行くことはできない。
  学問は、どんなに賢い人でも、順序を追って学ばねばならないというたとえ。
  〔荀子、勧学〕
     ―新漢語林より


騏も驥も駿馬シュンメや良馬のことを言うらしいです。あと麒麟を騏驎と書く場合もありますね。
いわゆる天才だって、スピードがすごいだけでちゃんと順を追っているんでしょうか。
どうしても凡馬の我々には順を超して進んでいるように見えてなりません。
我々はいろいろなことを急ぎがちですが、急いだってどうにもならないものがあります。
ゆっくり、確実に歩を進めていきたいです。



  【百二】ヒャクニ
  きわめて要害堅固なこと。天下の兵百万人に対しても二万人をもって当たり得る意とも、
  百万人なら、その倍の二百万人に相当する意ともいう。
  もと秦の地の要害堅固なことを言った語。「百二山河・百二都城」〔史記、高祖本紀〕
     ―新漢語林より


なんか語釈の意味がよくわからないですが、字面から全く想像できない意味なので面白いです。
無敵要塞ザイガスかな。要塞を作るなら102ワン・オー・ツーみたいな名前つけるかな。
あんまかっこよくないかな。そもそもそんなシチュエーションはない。
百二の要塞、とか言ったら要塞が102個あるみたいな感じだな。悩ましい。



  【鞦韆・秋千】シュウセン
  ぶらんこ。〈季:春〉
     ―広辞苑第六版より


ぶらんこって春の季語なんですね。季語って旧暦でしたっけ。
というかぶらんこっていつの時代からあるんだ。
え、Wikipediaの項目を見たら「古くは中国で宮女が使った遊び道具(性具)をさす。」って記述があるんですが。
ぶらんこってそんな起源だったんだ…… えっちじゃん。
あと蘇軾の詩に出てくるらしいので少なくとも11世紀からあるんですね。
ちなみに広辞苑第六版曰く、「鞦韆」で「ぶらんこ」「ふらここ」「ゆさわり」と読むそうな。
全てぶらんこの意味です。鞦韆ゆさわり、なんかかっこいい。



  【八万四千】ハチマンシセン
  〔仏〕数の多いことを表す語。「―の法門」「―の煩悩」
     ―広辞苑第六版より


煩悩って一般的には108で知られていますよね。時代や宗派でまちまちらしいですが。
軽く調べたところ、108に関しては三説出ました。用語の解説抜きでメモします。


●六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)に好・悪・平を数え、
 それらに浄・染の二つがあり、それらを三世(過去・現在・未来)に配当したもの。(6×3×2×3)
●六根が産む六塵(色・声・香・味・触・法)に、それらに好・悪・平を数え、
 それらに浄・染の二つがあり、それらを三世(過去・現在・未来)に配当したもの。(6×3×2×3)
●三界の内の欲界に32、色界・無色界にそれぞれ28、
 計88の見惑(見道所断によって断たれる煩悩)を配置し、
 更に10の修惑(修道所断によって断たれる煩悩)を加えて、九十八随眠としたものに、
 十纏(無慚・無愧・嫉・慳・悔・眠・掉挙・惛沈・忿・覆)を足したもの。(32+28+28+10)


よくわかんないけど調べればたぶん意味がそれなりに分かる。
84,000の方は詳しくはよく分かりませんでした。仏教の知識が足りない。
とりあえずはこちらのサイトをご参照ください。
実は引用が面倒くさかったとかそういう訳ではない。決して。
あとは単純に数が多いって意味合いでつけただけって可能性もありますよね。
たぶん三以上は「多い」みたいな意味で使われると思います。
再三、四散、三々五々、六合、七転八倒、九重…… 四と六はいいのが思いつかなかった。
まあいいや。




なんとなく一、十、百、千、万を含む語を取り上げました。
おかげで更新するのに1時間半かかってます。その場で語を吟味してましたので。
あとできるだけ正確なこと書くためにいろいろ調べたりね。しかたないね。
わりといっぱい書いた(と思う)ので後書きはさっぱりでいきましょう。
だんだんと億劫にもなってきたのでこれにておしまい。また次回!